第17課:「~の家」・「る」の省略・「えんだ」の派生表現・「-んだ-」「-んで-」の清音化
みなさん、こんばんは。
二週間ぶりの講座で申し訳ありません。ともあれ、今回は、タイトルにある通りの事柄を学びます。
まぁ詳しい話はいつも通り講座内にてぱぱっと勉強しちゃいましょう。ではどうぞ。
本文:
太郎:大輔、あンだ家[え]の息子、休みの日なんとして過こ゚してだ?
太郎:大輔、お前の家の息子、休みの日はどうやって過ごしてる?
大輔:ん?大吉のごどげぁ?俺家の大吉ンだば、休日ってば図書館さ勉強すにでがげるな、家より集中すにいどって。
大輔:うん?大吉のことかい?私の家の大吉は、休日になれば図書館に勉強しにでかけるね、家よりも集中できると言って。
太郎:はー、流石、真面目ンだごど。俺ら家の一郎なの、勉強すに外さでがげだごどなの一回もねぁでぁ。なんだえに育でればそんだえに真面目ンだ子なるあんだべ。はー、育でがだ間違ったあんだべが…。
太郎:はぁ、流石、真面目だなぁ。私の家の一郎なんて、勉強をしに外にでかけたことなんて一回もないよ。どのように育てればそのように真面目な子になるのだろう。はぁ、育て方間違ったのだろうか…。
大輔:おや、ん前ぁまだそんたごど言って…そんてに自分家[ね]の息子どご卑下すなー。親かってそんたごど言わえれば、一郎も立づ瀬ねぁべせぁ。
大輔:おや、お前ってやつはそんなことを言って…そんなに自分の家の息子を卑下するな。親にそんなことを言われれば、一郎も立つ瀬がないだろうに。
太郎:んだってよー、一郎ンだば実際なんもいどごねぁあんだや?いぐづなっても勉強もさねぁンで遊んでばーりいで、俺らがだ親の言うごどもなんも聞がねぁ。昨日もよー、門限八時まンでンだって言っておだあじよー、十時過き゚でがらやっとごさ帰って来てよー、そえンで「めぁ今何時ンだど思って帰って来た?」どって俺らごしゃだあんだ。んだっけあれ、「うるせぁ。んだごどめぁさ関係ねぁべ」なんて言って逆にごしゃぐもの。俺らあど腹悪りして腹悪りしてなもかもなねぁがったでぁ。はー、あどあれど関わねぁえするがな、いっそ。
太郎:だってさぁ、一郎は実際なにもいいところがないんだよ?いくつになっても勉強もしないで遊んでばかりいて、私たち親の言うこともなにも聞かない。昨日もさぁ、門限は八時までだって言っておいたのにさぁ、十時を過ぎてからやっと帰って来てさぁ、それで「お前、今何時だと思って帰って来た?」と言って私は怒ったんだよ。するとあいつは、「うるさい。そんなことあんたに関係ないだろう」なんて言って逆に怒るんだもの。私はもう気分が悪くて気分が悪くてどうしようもなかったよ。はぁ、もうあいつと関わらないようにしよっかな、いっそ。
大輔:おやー、なんと、そごまンでげぁ…ちゅってもなー、自分の息子ンだおんな。なんてに憎ぎごど言わえだたって、関わねぁわげにもいがねぁべせぁ?
大輔:おや、なんと、そこまでかい…とはいえねぇ、自分の息子だものねぇ。どんなに憎いことを言われたところで、関わらないわけにもいかないだろ?
太郎:んでも流石に腹悪りねぁが、勝手ンだごどした挙句あの喋がだンだや?はー、本当に、一体いづがらあんだえんだ子なってしまったあんだべ…。
太郎:でも流石に腹が立つじゃないか。勝手なことをした挙句にあの喋り方だよ?はぁ、本当に、一体いつからあのような子になってしまったのだろうか…。
語釈:
① なんとして…どうやって。例文…ん前ぁなんとして学校さ通ってだ? こんだ大っき建物、昔の人なんとして作ったあんだべ?
② ん前ぁまだ…お前ってやつは。あなたって人は。呆れの感情を伴いながら相手を言う言葉。例文:ん前ぁまだ、もっと早えぁぐ準備しておげばいべ? ん前ぁまだ、そんでに急んでなんとすって?
③ んだって…[接続詞]だって。理由の説明で使われる接続詞。例文:そんだごどンでごしゃがねぁっても…。―んだって腹悪りべ、そんだごどさえればー! ん前ぁまだ、なして返したって?―んだって、あんだ高価ンだ物もらわえねぁねぁがー。
④ よー…[間投助詞]よぉ。「私もよぉ、昔はよぉ、…」のような、文の合間合間に入れるアレ。なお、秋田弁の「よー」は、本来男女の別なく使われる。例文:俺もよー、昔ンだばよー、外さ行ってよー、みんなどよー、祭りなのスポーヅなの、色んだごどしてあったもんだ。 そえンだばよー、多分よー、そーいうごどンでねぁしてよー、ん前ぁのごど思ってよー、言ってけだあんだど思うや?
⑤ いぐづ…いくつ。例文:ん前ぁ今いぐづンだっけが?―今年ンであど三十なるは。年行ったもんだな…。 そえンで、こえあどいぐづ準備へばいあんだ?
⑥ やっとごさ…やっと。ようやく。例文:あー、やっとごさ仕事終わったー。 やっとごさ春なったが。 はー、こえンでやっとごさ休むにいな。
⑦ ねぁンで…ないで。例文:あの子まだ勉強もさねぁンで外さ遊ぶに行ったでぁ。 ん前ぁも黙ってねぁンでなにが喋れせぁ。 笑わねぁンでけれでぁ。
⑧ そえンで…[接続詞]「それンで」。「れ」が「え」になっただけ。例文:そえンで、あど勉強終わったあんだが? そえンで、今度いづ行ぐな?
⑨ ごしゃぐ…怒鳴る。叱る。大声で怒る動作を言う。例文:おやー、なんと、ん前ぁまだ、…そんでにごしゃがねぁってもいべ? あの人ンだばちょっと言えばすく゚ごしゃぐがら喋ってぁぐねぁ。 あの子なして泣でるあんだ?―さきた親かってごしゃがえだがらよ。まんずおっかねぁ親もいだもんだごど。
⑩ んだっけ…すると。例文:山さ行った。んだっけ熊いであった。 俺もそー思ってそのごどあえどさ喋ったあんだ。んだっけあえ、「んだ[=そんな]ごどわんざに[=わざわざ]俺どさ言わねぁってもい!」だどっておがごしゃで、まんず[=とにかく。]んたぐ[=嫌に]なったは。
⑪ なんて…「なのって」の省略表現。例文:「俺らあど知らねぁ!」なんてごしゃぐもんだがら、俺も腹悪りしてあどそえがら口聞でねぁあんだ、あえどンだば。 俺ンだば行ぐなんて言ってねぁ!誰がら聞だなやそんだ話!
⑫ 腹悪り…[形容詞]腹が立つ。気分が悪い。体調ではなく、人の言動により精神的にいらいらした状態を指す言葉。例文:ん前ぁンだってそーいうごどさえれば腹悪りべ? おが小言つがえで腹悪りがった。 あんたごど言わえだもんだがら、そえがらずっとあえの顏見れば腹悪りしてなもかもなねぁ。
⑬ がな…かな。基本的に標準語と同じだが、「~するがな」の形で「~しようかなぁ」の意味にも使われる点は注意しよう。例文:どれ、ご飯盛ってやる。…こえンでいがな?―ん、ちょっと余計ンだ[=多い]。 よし、せば俺もやってみるがな。 おや、んだなげぁ、せば俺も行ぐがな。 おや、あど十一時ンだなげぁ…んだら俺らそろそろ寝るがな。
⑭ ちゅっても…と言っても。とはいえ。「って言っても」が約まった形だろう。例文:今日ンだばいっぺぁ宿題やったー。…ちゅっても、まンだ半分も終わってねぁたってな。 秋田ンだばいやー?自然も豊がンだし、女子がだも綺麗ンだし…ちゅっても、人ンだば少ねぁして寂しンどもな。
⑮ なー…[間投助詞]ねぇ。「私ねぇ、昔ねぇ、…」のような、文の合間合間に入れるアレ。例文:俺もなー、昔ンだばなー、外さ行ってなー、みんなどなー、祭りなのスポーヅなの、色んだごどしてあったもんだ。 そえンだばなー、多分なー、そーいうごどンでねぁしてなー、ん前ぁのごど思ってなー、言ってけだあんだど思うや?
⑯ おんな…「ものな」「もんな」が発音変化したもの。よく使われる。実際の秋田弁では、しばしば「ん」がかなり短く言われ、「おな」のように言うことも多い。例文:あー、ん前ぁンだばまンだこごさ来てがらなんぼも経ってねぁおんな。そえンだば知らねぁはずンだ。 東京ンだば人余計ンだ[=多い]おんな。そえンだば混むべな。
⑰ んでも…[逆接]でも。例文:ん前ぁの気持ぢも分がる。んでも暴力振るえば駄目ンだ。 俺も頑張ったあんだ!―んでもうまぐ行がねぁがったあんだべ?―そえンだばんだンども、もっと気ー遣ってけでもいねぁが…。
⑱ 喋[しゃべ]がだ…話し方。主に人の話す様子のことを言う。これは決まり文句というか、単語として覚えよう。「しゃべりがだ」とならない点に注意。例文:なにその喋がだ、そんだ言ー方さねぁってもいべ? あの人喋がだなんだがおがしな。
―今日の学習―
1.「~の家」
秋田弁では、「~の家」と表現したいとき、決まった言い方をする傾向があるので注意が必要。
①原則:「~の家」→「~の家[え]」「~家[ね]」
例:人の家→人の家[ひとのえ]/人家[ひとね] 太郎の家→太郎の家[たろうのえ]/太郎家[たろうね] よその家→よその家[え]/よそ家[ね] 等々
説明:「~家[ね]」は、秋田弁の「~の家[え]」が縮まって、「のえ[noe]」→「ね[ne]」となったのだろう、と私は推測する。
②例外:自称[=一人称]と対称[=二人称]は習慣的に以下のように言う傾向が強い。
自称:「私/俺/僕の家」→「俺[お]ら家[え]」「俺[おれ]家[え]」
対称:「君/あなた/お前の家」→「あンだ家[え]」
注意点:対称は、「ん前ぁ家」「お前ぁ家」「前ぁ家」とは言わない。
例文:人家[ひとね]のごどさ口出しするな。=人[ひと]の家[え]のごどさ口出しするな。人の家のことに口出しするな。向[む]げぁ家[ね]の人がだ引っ越すあんだどや。=向[む]げぁの家[え]の人がだ引っ越すあんだどや。向かいの家の人たちは引っ越すのだそうだよ。俺ら家[おらえ]の婆[ばば]とんどりねぁぐなってしまったは。=俺家[おれえ]の婆とんどりねぁぐなってしまったは。私の家の婆さんは馬鹿になってしまったよ。あンだ家ンでンだばなんとしてだすか?あなたの家ではどうしていますか?あンだ家の母さん元気ンだが?あんたの家の母さん、元気かい?
2.音韻変化「る」の省略
秋田弁では、以下のようなときに限り、動詞や助動詞の「-る」が省略されることが多い。
a.「-る」+目的の「に」。
例文:山菜採に行ぐ。=山菜採るに行ぐ。山菜を採りに行く。本売に本屋さ行った。=本売るに本屋さ行った。本を売りに本屋に行った。木植えに庭さ出る。=木植えるに庭さ出る。木を植えに庭に出る。ん前ぁの顔見に来たンだげンだ。=ん前ぁの顔見るに来たンだげンだ。君の顔を見に来ただけだ。会場まンで応援すに行ぐ。=会場まンで応援するに行ぐ。会場まで応援しに行く。
b.「-る」+状況可能「に良」。
例文:今の季節ンだば山菜採にい。=今の季節ンだば山菜採るにい。今の季節は山菜を採れる。あの本屋、本売にいが?=あの本屋、本売るにいが?あの本屋は、本を売れるか?庭広れば木植えにいべたってな。=庭広れば木植えるにいべたってな。庭が広ければ木を植えられるだろうのにな。天気いばお月さん見にい。=天気いばお月さん見るにい。天気が良ければお月さまを見られる。紙っこあればメモすにいねぁが。=紙っこあればメモするにいねぁが。紙があればメモすることができるじゃないか。
c.「-る」+禁止「な」。
例文:山菜要らねぁぐ採な!=山菜要らねぁぐ採るな。山菜を不必要に採るな。勝手に人の本売なでぁ。=勝手に人の本売るなでぁ。勝手に人の本を売るなよ。病気なった木ンだば植えな。=病気なった木ンだば植えるな。病気になった木は植えるな。人の顔どごじろじろど見な。=人の顔どごじろじろど見るな。人の顔をじろじろ見るな。そんでに緊張すな。=そんでに緊張するな。そんなに緊張するな。
3.「えんだ」の派生表現
秋田弁の助動詞「えんだ」には、いくつか派生表現があるので、今回はそれを勉強しよう。
①「あんだ/こんだ/そんだ/なんだ-えんだ」
→「あんな/こんな/そんな/どんな-ふうな」の意味になる。
例文:あんだえんだ服、俺も着てみでぁな。あんなふうな服、私も着てみたいな。こんだえんだごどあンだどさ言ったたって仕方ねぁたって…。こんなふうなことをあなたに言っても仕方ないけれども…。そんだえんだ塩梅ぁンだ。そんなふうな塩梅です。なんだえんだ仕事に就ぎでぁ?どんなふうな仕事に就きたい?
②「あんだ/こんだ/そんだ/なんだ-えに」
→「あんな/こんな/そんな/どんな-ふうに」の意味になる(本課最後の「超絶注意!」の項参照)。
例文:あんだえ(に)なれ(※)ばあど駄目ンだ。あんなふうになればもう駄目だ。こんだえにせばなんとンだべ?こんなふうにすればどうだろう?そんだえにごしゃぐがらおっかねぁか゚らえるあんだや?そんなふうに怒鳴るから怖がられるんだよ?なんだえにせばいあんだべな、これ。どんなふうにすればいいんだろうね、これ。
※:「~になる」は、秋田弁ではよく「に」を省略する。この文も「あんだえになれば」の「に」が省略され、「あんだえなれば」となっている。
4.音韻変化「-んだ」「-んで-」→「-んた」「-んて-」
秋田弁では、語尾の「-んだ」や語中の「-んで-」が、「-んた」「-んて-」のように濁らずに発音されることもある。そういう発音がされるのは、以下にあるものに限られる。
a.「-んだ」→「-んた」の例
①「こ/そ/あ/な-んだ」→「こ/そ/あ/な-んた」
②「いろんだ」→「いろんた」
③「えんだ」→「えんた」
④「みでぁんだ」→「みでぁんた」
例文:あんた人いだっけが?=あんだ人いだっけが?あんな人いたっけっか?そんたごど言わねぁンでけれ。=そんだごど言わねぁンでけれ。そんなこと言わないでくれ。こんたごどあンだどさ聞ぐのもあれンだンども…。=こんだごどあンだどさ聞ぐのもあれンだンども…。こんなことをあなたに聞くのもあれだけれども…。なんた人もいるな、世間さンだば。=なんだ人もいるな、世間さンだば。どんな人もいるな、世間には。なも、あンだがら色んた話っこ聞でみでぁなーど思って。=なも、あンだがら色んだ話っこ聞でみでぁなーど思って。いや、あなたから色んな話を聞いてみたいなぁと思ってね。明日がら雪降るえんたねぁが。=明日がら雪降るえんだねぁが。明日から雪が降るようじゃないか。見れ、あの人鬼みでぁんた面(※)してだは。=見れ、あの人鬼みでぁんだ面してだは。見ろ、あの人鬼みたいな顔をしてるぞ。
※:面は、「つら」と読む。標準語的にはぞんざいな言葉だが、秋田弁的にはただ「顔」を表す語として使われていた。最近は標準語の影響か、お年寄りの間でも「顔」と言うのが普通になってきた気がするが。
b.「-んで-」→「-んて-」の例
指示副詞「こ/そ/あ/な-んで-に」→「こ/そ/あ/な-んて-に」
例文:こんてに作ったなげぁ?=こんでに作ったなげぁ?こんなに作ったのかい?そんてにごしゃがねぁンでけれしゃ。=そんでにごしゃがねぁンでけれしゃ。そんなに怒らないでおくれよ。あんてに勉強したのに、駄目ンであったなげぁ…。=あんでに勉強したのに、駄目ンであったなげぁ…。あんなに勉強したのに、駄目だったのかい…。なんてに寒びっても暖房点[つ]けねぁえんだ。=なんでに寒びっても暖房点けねぁえんだ。どんなに寒くても暖房を点けないようだ。
清音(濁らない音)として発音される時は、基本的にややゆっくりと発音される。逆に濁音(濁る音)として発音される時は、比較的早いスピードで単語が発音されがちで、しばしば「こンだ」「そンだ」「あンだ」「なンだ」「いろンだ」「えンだ」「みでぁンだ」「こンでに」「そンでに」「あンでに」「なンでに」のように発音される。実際に秋田弁を聞く際は注意しよう。
超絶注意!:「あんだ/こんだ/そんだ/なんだ-えに」は当サイトの造語!
実は、3「えんだの派生表現」の②「こ/そ/あ/な-んだえに」という表現は、当サイトの造語のようなものである(用例少なくて実在を確証できない)。
経緯を説明すると、嘗て祖母が言った言葉に「あんだえなって[=あんなふうになって]」というのがあって、且つ「そンだえンだうぢ[そんなふうな家]」「こンだえンだもんだ[こんなふうなものだ]」という表現も聞かれた。
そこで、標準語と秋田弁の対応関係に執着していた当時の私が、「なるほど、『あんだえなって』は『あんだえになって』の省略形だから、①「こ/そ/あ/なんだえんだ」の構造とも照らし合わせて考えれば、秋田弁では『こ/そ/あ/どんなふうに』は、『あんだえに』『こんだえに』『そんだえに』『なんだえに』のように言うのだな!」と脳内補完し、当サイトの「こ/そ/あ/な-んだえに」という表現が生まれたわけである。
因みに、では現実の秋田弁においては、「こ/そ/あ/どんなふうに」をどう言い表すかと言えば、…正直ぴったりそれと対応する表現というのは、日常では「あんだえなって」の1例以外聞いた覚えがない。
実際の日常の秋田弁では、「こ/そ/あ/どんなふうに」は、文脈に応じて、「こー/そー/あー/なんと[こう/そう/ああ/どう、の意]」や「こ/そ/あ-んでに[こ/そ/あ/ど-んなに、の意]」や「こー/そー/あー/なんと-して[こう/そう/ああ/どう-やって]」などを、文脈に応じて使って済ませることが多い。
例えば、以下のような具合に、である。現実に使われる、本物の秋田弁を習得したい人の参考になれば幸いである。
あんだえ(に)なれ(※)ばあど駄目ンだ。→あーなればあど駄目ンだ。
こんだえにせばなんとンだべ?→こーせばなんとンだべ?
なんだえにせばいあんだべな、これ。→なんとせばいあんだべな、これ。
そんだえにごしゃぐがらおっかねぁか゚らえるあんだや?
→そんでにごしゃぐがらおっかねぁがらえるあんだや?
なんだえに育でればそんだえに真面目ンだ子なるあんだべ。
→なんとして育でればそー真面目ンだ子なるあんだべ。
終ぁに
以上で今回の秋田弁会話の勉強は終わり。
「なになに-んだえに」については、そのうち実在が確認され次第造語云々のところは削除します。最近はお年寄りもかなり標準語使うので多分聞く機会もないだろうなーとは思いますが。
ともあれ、今回はこの辺で。ではまた。まずなー。
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