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第1課:人代名詞・指定の助動詞「だ」

第1課:人代名詞・指定の助動詞「だ」

 みなさん、こんにちは。

 

 会話で学ぶ秋田弁第1課を始めたいと思います。

本文:

大輔:ん前ぁ誰ンだ

大輔:君は誰だ?

太郎:俺ら太郎ンだお前ぁごそ誰ンだ

太郎:私は太郎だ。君こそ誰だい?

大輔:大輔ンだ。とごろンであれ誰ンだ

大輔:私は大輔だ。ところであの人は誰だ?

太郎:あれンだば花子ンだ

太郎:あれは花子だ。

大輔:めぁンだば物知りンだごどせばこれ誰ンだが分がるが?

大輔:君は物知りだなぁ。じゃあこの人が誰か分かるか?

太郎:秋子ンだべ?

太郎:秋子だろう?

秋子:貴方方[あンだがだ]さっきがら何話してだ?俺ら方ンだば昔っからの知り合いンだべしゃ。なして貴方誰ンだーあれ誰ンだーこれ誰ンだーなの、一々聞ぐ必要あるって?

秋子:あなたたち、さっきから何を話しているの?私たちは昔からの知り合いでしょうに。どうしてあなたは誰だ、あの人は誰だ、この人は誰だ、なんて、一々聞く必要があるというのよ?

単語:黒字は特に重要単語なので、是非覚えよう。

①~ごそ→~こそ。例文:こぢらごそどーも。 今日ごそ宿題やれや?②とごろンで→ところで。例文:とごろンで、今何時ンだ? とごろンで、あれの姿見えねぁンども、あれどごンで居だ?③~()だば→~は。例文:俺ンだば馬鹿ンだもの。そんだごど知らねぁ。 今日ンだば良ンども、明日ンだば駄目ンだ。④~ごど→(感嘆)~なぁ。例文:ん前ぁまだよぐもの食うごど。 今日ンだば良ー天気ンだごど。⑤せば→じゃあ。それなら。例文:せばん前ぁどーいうあじ欲しな? せば一緒にやってみるが?⑥~[名詞]()だべ(しゃ)(推量)~だろう。~でしょう。「しゃ」は、強調。例文:あれンだば大きさがら言って熊ンだべしゃ。 ん前ぁもあどいー大人ンだべしゃ?少ししゃきっとすれでぁ。⑦なして→どうして。何故。例文:なして俺さ言わねぁがった? はー、なして人生こーうまぐいがねぁ?⑧~なの→~など。~なんて。例文:俺なの、一回も東京さ行ったごどねぁや? 俺の故郷なの、田舎も田舎ンだ。⑨なして~って?→どうして~と言うのか?例文:明日まンでンだべ?なして今やらねぁって? あど時間だべ?なしていづんまンでもくずぐずしてるって?

―今日の学習―

①人代名詞

「俺ら」「俺」…私。僕。俺。自分を指す言葉。

「前[]ぁ」「ん前ぁ」「お前ぁ」…君。お前。あんた。話相手を指す言葉。

「貴方[あンだ]」「貴女[あンだ]…あなた。話し相手を指す言葉の敬語版。

「あれ」…あいつ。あの人。(遠くにいる人を指して)彼、彼女

「これ」…こいつ。この人。(近くにいる人を指して)彼、彼女

 

②複数を表す接尾語「がだ」

 複数を表す接尾語「~たち」は、秋田弁では「~がだ」と言う。ただ、秋田弁の「がだ」は人だけでなく、動物や物についても用いるので要注意。

例文:俺らがだの仕事ンだ。たちの仕事だ。前ぁがだもまだ物好ぎンだごど。たちもまた物好きだなぁ。あれがだ今日来るな?、今日来るの?外ンで人がた騒んでだ。外で人が騒いでいる。秋なったっけ、虫がだうるせぁぐ鳴ぐえなった。秋になると、虫たちがうるさく泣くようになった。テーブルの上のティッシュがだ片つけれ。テーブルの上のティッシュ(複数)を片づけなさい。これがだあど投け゚で良あんだが?これはもう捨てていいのかい?

 

③指定の助動詞「()だ」

 「AはBだ」の「だ」。秋田弁と標準語の対応関係は以下の通り。

 

 

標準語

秋田弁

使用法

連用形1

()

中止法に使用。又、打消助動詞に接続。

連用形2

だっ

()であっ

過去の「た」や、接続助詞「て」「たら」「たり」に接続。

終止形

()

言い切りの形。

連体形

()

接続助詞「のに」などに接続。

仮定形

なら

()/()だら

仮定の「ば」に接続。

注意:1.秋田弁の連体形「だ」は、名詞修飾も可能。標準語に訳す時は、「~()だA」で「~であるA」とすればよい。2.秋田弁の仮定形のうち、「だら」は、単独で用いる。「ば」は不要。

 

例文:あれンだば犬ンでねぁ。あれは犬はない。あれ熊ンでねぁが?あれは熊はないか? さっさっ、今日休みンであったな。しまった、今日は休みだったな。美男子ンであった人も年行げば爺さんなる。美男子だった人も年を取れば爺さんになる。ん前ぁ生まれどごンだ君、生まれはどこ秋田ンだ秋田故郷ンだ秋田離れで東京さ行ぐ。故郷である秋田を離れて東京に行く。せっかぐの休みンだのに仕事するってげぁ?せっかくの休みのに仕事をするってかい?ンだば俺どご手伝ってけれ。ならば私を手伝ってくれ。ンだら俺どご手伝ってけれ。なら私を手伝ってくれ。

 

 

終わりに

 以上で今回の秋田弁勉強は終わり。

 

 ではまた。へばなー。

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