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秋田の昔話を気軽に読みたい

秋田の昔話を気軽に読みたい

 みなさん、こんばんは。

 

 今回は講座ではなく、情報の紹介です。

 

「秋田県に伝わる昔話を、秋田弁の文体のまま、しかも秋田弁の知識なんかなしに、気軽に読めないの?」なんていう要求に応えられる名著がありますので、今回はそれを紹介いたします。

1.『秋田むがしこ』の出版事情

 さて、今回紹介するのは、『秋田むがしこ』(今村義孝・今村泰子編著、無明舎出版、2005)という書籍です。

 

 タイトルにある「むがしこ」というのは、これすなわち「昔話」のこと。なので書籍のタイトルの意味は「秋田昔話」ということですね。

 

 この書は、もともとは1959年に未来社という出版社から刊行された『秋田むがしこ』第一集を、秋田にある「無明舎出版」という出版社が2005年に復刻した書籍。管理人としましては、この第一集に当たる書籍をお薦めしている次第であります。

 

 なお、「第一集」という言葉からもなんとなく察しがつくように、もともとは第二集もあったのですが、復刻されているのは第一集だけ。

 

第二集が欲しければ、未来社の方に問い合わせる必要がありますが、未来社の『秋田むがしこ』は絶版本なので、在庫がなくなり次第入手は不可能になります。

 

なお、絶版本の在庫なので、昔出版された本の売れ残り。したがって保存状態はあまりよくありません。ぴかぴかの新品で手に入れることができないというのが悩みどころです。まぁ当サイトとしては、あくまで第一集の方をお薦めしておりますので、第二集については忘れてください。

 

2.『秋田むがしこ』の内容紹介

 さて、書籍の出版事情の説明はこの辺にして、そろそろ本題、この本(第一集の方)の内容についての説明を致しましょう。

 

 この書籍の内容の中心は、タイトルにある通り、秋田の昔話です。1958年以降に秋田県中を回って集めた秋田の昔話、計109を、語られた秋田弁の文体そのままに書き記してあるのです。

 

 また、この書の内容のもう一つの大きな特徴として、「秋田弁の昔話の特徴とはどんなものか」ということについての説明が書かれている点があります。

 

 どういうことかと言いますと、たとえば、学校で習うような、古典の昔話では、たいてい「今は昔」という語り始めの決まり文句がありますよね?

 

 それと同じように、秋田弁の昔話にも、語り始めの決まり文句というのがありますし、また語り終わりの決まり文句というものもあります。更にそれらの言葉にも地方ごとの差異があったりします。

 

この書籍は、そういった「秋田の昔話の基礎知識」的な話も解説してくれているため、単に秋田弁の昔話を読むことができるだけにとどまらず、知識として秋田弁の昔話の特徴を知ることもできるわけです。

 

この『秋田むがしこ』は、言うなれば、秋田の昔話の教科書的なものと思ってよいのかもしれませんね。

 

3.私が本著をお勧めする理由

 私が何故この本をお勧めするのか。その理由は、大きくは4つあります。

 

一つ、この本は、秋田の昔話の基礎的な知識について教えてくれます。なので、秋田県の昔話の概略を知りたい人の要求を満たすことができます。

 

二つ、この本は、昔話を秋田弁の文体のまま記しています。なので秋田弁に触れたいという人の要求を満たすことができます。

 

三つ、この本の昔話には、「傍注」があります。つまり、文体は秋田弁ですが、標準語話者が理解し辛さそうなところには、わざわざその横に標準語訳も付けてくれているため、読むのに難儀しません。気軽に秋田弁に触れたい、という人の要求をも満たすことができます。

 

四つ、この本は、収録した昔話が、どこで収集したものかを逐一明示してくれています。そのため、地方ごとの秋田弁の違いを味わいたいという人の要求をも満たすことができます。

 

 …とまぁこんな感じで、至れり尽くせりな書なわけですよ。

 

 まぁ勿論、この他にも魅力はいろいろありますよ。

 

「昔話の収集年月が1958年から1959年と比較的古いため、標準語の影響の少ない、比較的古い形の秋田弁に触れることができる。」とか、「語られた秋田弁をそのまま書き記しているようなので、当サイトのような文法的に重要なあらゆる部分を故意に秋田弁で書いた偽物と違って、ところどころに標準語が混じったり混じらなかったりする、生きた本物の秋田弁になっている。」とかね。

 

 ともあれこのように、色々と魅力ある本なので、秋田の昔話に関心があるなら、まずは『秋田むがしこ』を読むことをお勧めします

 

 以前紹介した「秋田の昔話・伝説・世間話 口承文芸検索システム」も、「標準語の文体」のものを選んで読む分には、誰にでもお勧めできるのですが、あの中から「秋田弁の文体」のものだけを選んで読むのは、秋田弁を知らない人には厳しいかなと思います。なにせ傍注がありませんから。初めと終わりの決まり文句も知識がないと意味不明ですし。

 

 そんなわけで老婆心ながら、「秋田の昔話・伝説・世間話 口承文芸検索システム」のサイトの秋田弁文体の昔話に触れるならば、一度は今回紹介した『秋田むがしこ』に目を通してから読んだ方が、多分作業がはかどると思いますよ。

 

4.『秋田むがしこ』にどうやってアクセスするか

 さて、最後は入手法ですかね?

 

 書籍の購入と言えば、多くの方は大手通販サイトからの購入を考えると思います。

 

 それで定価通りに入手できるのならそれでいいと思いますが、この手の地方出版の書籍というのは、なぜか大手の通販サイトでは転売品で値段が跳ね上がっていたり、入手不可だったりすることがありますので要注意。

 

 そういう時は、地方出版社さんのホームページに飛んで、直接その地方出版さんから通販で送ってもらうのもアリですよ。

 

 今回の例で言えば、『秋田むがしこ』第一集の復刻版は無明舎出版さんがやっていますので、無明舎さんのホームページに飛んで注文する、とかですね。

 

 このほか、わざわざ買わなくても近くの図書館などに置いてある場合もありますので、読めれば買わなくてもいいやという方は、お近くの図書館の蔵書検索で探してみるのもいいと思いますよ。

 

終いに

 さて、ながながとした紹介となってしまいましたが、以上にて今回の話はおしまいです。

 

 当サイトは、しばらくは講座の方は休止して、秋田弁関係の役立つ情報を提供する方向で行こうと思っております。

 

 ともあれ、今回はこの辺で。せばな!

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