秋田の方言(秋田弁)勉強・学習サイト

　みなさん、こんばんは。

　今回は、指示語の発音変化イン秋田市について勉強します。

①「方角代名詞＋さ」→「方角代名詞＋ゃ」。となることが多い。つまり、「さ」が「ゃ」になることが多々あるのである。なお、使い方には注意が必要なので注意参照。

あっちさ行ぐ。→あっちゃ行ぐ。　こっちさ来い。→こっちゃ来い。

注意！：但し、「こっちゃも」「そっちゃﾝだば」のように後ろに助詞を受けることは不可。

例：正「あっちさﾝだばねぁ。」 誤「あっちゃﾝだばねぁ。 正「こっちさも来た。」誤「こっちゃも来た。」

練習問題１：次の()内の秋田弁を、①のルールに従って書き換えてみよう。

(1)(あっちさ)ねぁ？(2)(こっちさ)ﾝだばねぁや？(3)(どっちさ)あった？(4)(どっちさ)行ぐ気ﾝだ？(5)(こっちさ)来て坐れ。(6)(あっちさ)ﾝだば行ぐな。(7)(そっちさ)あるはずﾝだ。(8)俺ﾝだば(そっちさ)も(あっちさ)も行ぎでぁなー。

②場所代名詞「こご」「そご」「どご」＋格助詞「に」「さ」「で」

→「ご」が抜けることが多々ある。

説明：「あっこ」「あすこ」には、こういう変化はない。注意しよう。

注意：「どご」については、「どに」「どﾝで」があるかは不明。なので本テキストでもこの二つは採用しない。「どさ」は頻繁に用いられるので採用。

練習問題２：次の()内の秋田弁を、②のルールに従って書き直してみよう。

(1)(こごに)誰がいだな？(2)お前ぁ(こごﾝで)いだなげぁ。(3)(こごさ)人来てあった。(4)(そごに)何あるって？(5)(そごﾝで)何してる？(6)(そごﾝで)人いであった。(7)(そごさ)行ぐなげぁ？(8)(こごさ)来てもなもねぁ。(9)(そごさ)ﾝだば俺も行ったごどあるや？(10)(どごさ)行ってあった？(11)(どごさ)あるって？(12)(どごさ)もねぁ。(13)(どごさ)あった？

③場所代名詞「こご」「そご」「どご」＋格助詞「がら」→「こっから」「そっから」「どっから」と言うのが普通。

注意：やはり「あすこ」「あっこ」にはこういう変化はない。

練習問題３：次の()内の秋田弁を、③のルールに従って書き直してみよう。

(1)めぁその声(どごがら)出すな？(2)(そごがら)もあっこがらも虫湧でだねぁは。(3)(こごがら)か゚本番だ。

補足：不定疑問詞「どごが」の音韻変化と特殊不定疑問詞「どさが」

①「どごが」→「どっか」と言う方が普通。

②「どごがさ」「どっかさ」→「どさが」ともよく言う。

注意：「どがさ」ではない。「どさが」。「さ」が真ん中。誤植ではない。

③「どさが」のもともとの形は「どごさが」。これも使う人は使う。

説明：「どさが」「どごさが」は「どごがさ」「どっかさ」と同じ意味で、「どこかに」という意味を表す不定疑問詞である。使用頻度的には、私見では、「どさが」＞「どっかさ」＞「どごがさ」＞「どごさが」の順で、「どさが」が一番よく使われるという印象を受ける。

練習問題４：次の()内の秋田弁を、補足のルールに従って書き直そう。

(1)(どごがさ)行ってしまった。(2)何が面白れな、(どごが)にねぁもんだべが。(3)俺ら、人どして大切ﾝだなにがどご、(どごがさ)置で来てしまったえんだ。(4)じんじょ(どごが)金持ぢの家の箱入り娘ﾝだあんだべ、あれ。

説明：練習問題４の「どさが/どごさが」は、「どっかさ」でもよい。

　以上で今回の発音変化の勉強はおしまい。

　ではまたこんど。へばなー。

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お知らせ

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第84課：慣用表現②：熟語①

第85課：主な慣用表現③

第86課：主な慣用表現④：疑問詞を用いた慣用表現