第35課：擬声語・擬態語
みなさん、こんばんは。
今回は、秋田方言の擬声語・擬態語を学びたいと思います。
１．擬声語・擬態語を使った副詞
「くるくる回る」「がんがん響く」のような、副詞として使う擬声語・擬態語は、秋田弁では「くるくるど回る」「がんがんど響ぐ」のように、擬声語・擬態語の末尾に「ど」を添える。
猫がにゃんにゃん鳴く。→猫にゃんにゃんど鳴ぐ。
鳥がくるくる回る。→鳥くるくるど回る。
鐘の音ががんがん響く。→鐘の音がんがんど響ぐ。
練習問題１：次の()内の標準語を、秋田弁にしてみよう。
(1)(ぴょんぴょん)跳ねる。(2)(ぴこぴこ)鳴る。(3)子供(わんわん)泣であった。(4)(ぴかぴか)光る。(5)(つるつる)滑る。
２．擬態語を使った動詞
「わくわくする」「どきどきする」のような、「擬態語＋する」で構成される表現は、秋田弁でも健在である。
宝くじを買うとわくわくする。→宝くじ買えばわぐわぐする。
彼と居るとどきどきする。→あれど居ればどぎどぎする。
説明：「する」はサ変なので、「わぐわぐさねぁ・わぐわぐしてぁ・わぐわぐする・わぐわぐするづぎ・わぐわぐすれば/わぐわぐせば・わぐわぐすれ/わぐわぐせ」のように活用する。忘れていた方は第10課参照。
練習問題２：次の()内の標準語を、秋田弁にしてみよう。
(1)(くらくらする)。(2)(きらきらし)た服着る。(3)(ざわざわする)づぎもある。(4)人見で胸(きゅんきゅんすれ)ば恋ﾝだがもしれねぁや？
３．擬態語を使った形容動詞
標準語には、「部屋がぐちゃぐちゃだ」「水に濡れてぬるぬるだ」のように、「擬態語＋だ」で構成される形容動詞があるが、この形式は秋田弁ではあまり用いられない。
△：部屋ぐちゃぐちゃだ。→部屋ぐぢゃぐぢゃﾝだ。
△：水に濡れてぬるぬるだ。→水に濡れでぬるぬるﾝだ。
４．擬態語を使った形容詞
３のような、標準語で「擬態語＋だ」という形容動詞の形式で表現されるものは、秋田弁では「擬態語＋でぁ」という形容詞の形式で表現されるのが普通である。
部屋がぐちゃぐちゃだ。→部屋ぐぢゃぐぢゃでぁ。
水に濡れてぬるぬるだ。→水に濡れでぬるぬるでぁ。
説明：形容詞なので、「ぐぢゃぐぢゃでぁぐ・ぐぢゃぐぢゃでぁして・ぐぢゃぐぢゃでぁっても・ぐぢゃぐぢゃでぁがっ・ぐぢゃぐぢゃでぁ・ぐぢゃぐぢゃでぁ(づぎ)・ぐぢゃぐぢゃでぁ(ば)」 のように活用する。形容詞の活用については第5課参照。
参考：秋田弁の「擬態語＋でぁ」と標準語の「擬態語＋だ」の対応関係をあえてまとめると、以下のような感じになる。
ぬるぬるになる。→ぬるぬるでぁぐなる。
ぬるぬるで気持ち悪い。→ぬるぬるでぁして気持ぢ悪り。
ぬるぬるであっても関係ない。→ぬるぬるでぁっても関係ねぁ。
ぬるぬるだった。→ぬるぬるでぁがった。
ぬるぬるだ。→ぬるぬるでぁ。
ぬるぬるな床。→ぬるぬるでぁ床。
ぬるぬるならば気持ち悪いだろう。→ぬるぬるでぁば気持ぢ悪りべ。
注意：上記の対応表はあくまでも参考程度にとどめてほしい。形容動詞と形容詞では、品詞が違うから綺麗には対応しない。例えば、「ぬるぬるではない」は、秋田弁では「ぬるぬるでぁぐねぁ」となる。これは上記の対応表の丸暗記では導き出せない答えである。
結局のところ、「擬態語＋でぁ」は形容詞なのだから、秋田弁の形容詞の使い方をマスターする他ない。第5課の形容詞の活用を今一度思い出そう。
練習問題３：次の()内の標準語を、秋田弁にしてみよう。
(1)納豆ﾝだば(ねばねばで)好ぎﾝでねぁ。(2)道さ氷張って(つるつるに)なった。(3)あの店ﾝだば生ものなんぼ(ぬるぬるであっても)売るえんだ。(4)初め(ぴかぴかだった)靴も、使えば色落ぢるものﾝだ。(5)靴(がほがほならば)買うなやめれは。(6)店(がらがらな)づぎ行げば良べは。(7)雨かって服(びしょびしょだ)。(8)(ふかふかでない)布団なの要らねぁ。
練習問題解答：
練習問題１：(1)ぴょんぴょんど(2)ぴこぴこど(3)わんわんど(4)ぴかぴかど(5)つるつるど
練習問題２：(1)くらくらする(2)きらきらし(3)ざわざわする(4)きゅんきゅうすれ/きゅんきゅんせ
練習問題３：(1)ねばねばでぁして(2)つるつるでぁぐ(3)ぬるぬるでぁっても(4)ぴかぴかでぁがった(5)がほがほでぁば(6)がらがらでぁ(7)びしょびしょでぁ(8)ふかふかでぁぐねぁ
終ぁに
以上で今日の秋田弁学習は終わりとなります。
へばまだこんど。へばな。
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- 第60課：感動詞④
- 感動詞４回目。例の如く秋田弁標準語変換翻訳を通じて学習。
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