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4.「つぎはき゚」「ひはき゚」「はなか゚み」「まほーびん」

秋田弁会話名詞篇第4回

 みなさんこんばんは。齶田浦です。

 

 引き続き、名詞の勉強をしますよ。

4.「つぎはき゚」「ひはき゚」「はなか゚み」「まほーびん」

-会話-

A:かー、つぎはき゚まンだ二月なってだやは?はえぁぐ剥んで三月のなにしてけれー。

訳:母さん、月剥ぎがまだ二月になっているよ?早く剥いで三月のものにしてくれ。

B:あいしかだねぁ。そんたごどわんざに人さ頼むってげぁ?自分で気づいだごったらつぎはき゚ぐれぁ自分で剥け゚ばいべー?なしてそー人まがせにするー?…ほら、ちゃんと剥んだや?こえンでいべ?

訳:まったくもう。そんなことをわざわざ人に頼むっていうの?自分で気づいたなら月剥ぎくらい自分で剥げばいいでしょう?どうしてそうも人任せにするの?…ほら、ちゃんと剥いだわよ?これでいいでしょう?

A:えー、ありか゚どさん。…しかしー、最近ひはき゚見ねぁぐなったな。

訳:ああ、ありがとう。…それにしても、最近はひはぎをみなくなったな。

B:えー?

訳:え?なんですって?

A:最近ひはき゚見ねぁぐなったって。

訳:最近はひはぎをみなくなったっていったんだ。

B:ひはき゚?…あー、ひはき゚って、あの毎日剥く゚あえのごどげぁ。ん前ぁもまだ急になつかしもの思い出すごど。たしかに日剥き゚ンだば今の時分でっきり見ねぁぐなったなー。昔ンだばよぐみだもんであったンども。

訳:ひはぎ?…ああ、ひはぎって、あの毎日剥ぐあれのこと。あなたったら急に懐かしいものを思い出すわねぇ。たしかに日剥ぎは今の時代さっぱり見なくなったわねぇ。昔はよくみたものだったけれど。

A:んだがらなー。月剥き゚ンだば今ンでもなぼンでも見にいあじ、なして日剥き゚ばり見ねぁぐなったあんだべ?

訳:まったくだな。月剥ぎは今でもいくらでも見ることができるのに、どうして日剥ぎだけ見なくなったのだろう?

B:さー、なしてンだべなー。…あっ、んでも別になもねぁぐなったなンでンだばねぁえんだや?

訳:さぁ、どうしてでしょうね。…あっ、でも別に全部なくなったのというわけではないみたいよ?

A:おや、んだってげぁ?

訳:おや、そうなのかい?

B:えー、今インターネット見でだっけそえんたな売ってだな見つけだもの。今ンだば「日めくりカレンダー」ってゆーあんだど。

訳:ええ、今インターネットを見ていたらそういうようなのが売っているのを見つけたもの。今は「日めくりカレンダー」って言うんですって。

A:なに、日剥き゚どごげぁ?

訳:え、日剥ぎをかい?

B:えー、んだ。

訳:ええ、そうよ。

A:そえンだばなんと、名前長け゚ぁもんだごど。日剥き゚どごンだば日剥き゚ンでいあじに。なしてそー長け゚ぁ名前なった?

訳:それはなんとまぁ、名前長いもんだなぁ。日剥ぎのことは日剥ぎでいいのに。どうしてそうも長い名前になったんだ?

B:あい、ん前ぁもまだ、そんだごどゆえば月剥き゚どごも今ンだばんな「カレンダー」ちゅうねぁ。

訳:もう、あなたったら、そんなことを言ったら月剥ぎのことも今はみんな「カレンダー」っていうじゃない。

A:あー、そーゆえばんだな。…外国の言葉使うな当だり前ぁなって昔の言葉っこ忘えらえでってだあんだべな。

訳:ああ、そういえばそうだな。…外国の言葉を使うのが当たり前になって昔の言葉が忘れられていっているのだろうな。

B:んだなー。しかしー、たしかに考えでみれば、今ンだばほんとに外国の言葉いげぁなったやな。はなか゚みどごンだばティッシュってゆうし、魔法瓶どごンだば今ンだば「ポット」ってゆうしンだべ?…ほんとにいげぁなったな、外国の言葉。

訳:そうねぇ。それにしても、たしかに考えてみたら、今は本当に外国の言葉が多くなったわよね。はながみのことはティッシュっていうし、魔法瓶のことは今は「ポット」っていうしでしょう?…ほんとうに多くなったわね、外国の言葉。

A:んだなー。たしかに今の時分、魔法瓶なの鼻紙なのってンだばゆわねぁぐなったな。年寄りも若げぁ人がだもんな外国語のほ使うー。

訳:そうだな。たしかに今の時代、魔法瓶だの鼻紙だのとは言わなくなったな。年寄りも若い人たちもみんな外国語の方を使うよ。

B:そえンだげ時代も変わったってごどンだあんだべな。考えでみれば同じ日本語ンだたっておらがだの親がだの言葉どおえがだの言葉どンでもげぁんげぁ違うものな。

訳:それほど時代も変わったということなのでしょうね。考えてみれば同じ日本語だとはいえ私たちの親たちの言葉と私たちの言葉とでも非常に違うものね。

A:んー?そんてぁに違うってげぁ?

訳:うん?そんなに違うってかい?

B:違うー。ほら、たどえばくづどごンだば昔ンだば「けり」ちゅってあったべ?なか゚ぐづンだば「なか゚けり」、普通の短けぁくづンだば「たんけり」、ごむく゚づどごンだば「ごむけり」、かわく゚づどごンだば「かわけり」みでぁに。

訳:違うわよ。ほら、たとえばくつのことは昔は「けり」といっていたでしょう?長靴なら「長けり」、普通の短い靴は「短けり」、ゴム靴のことは「ゴムけり」、皮靴のことなら「皮けり」みたいに。

A:あー、そーいわえればたしかに、んであったっけな。してナイフみでぁんたちっちぇぁ刃物どごンだば「まぎり」ちゅったりな。

訳:ああ、そう言われるとたしかに、そうであったっけなぁ。そしてナイフみたいな小さい刃物のことは「まきり:といったりな。

B:んだんだ。あー、なつかしなー、今ンだばまんず聞ぐごどねぁぐなったンどもな。

訳:そうそう。ああ、懐かしいわねぇ、今はまず聞くことがなくなったけれどね。

A:んだな。時代変わってんなして他の言葉使うえなればな、自分ばり古し言葉使ってだたってなもなねぁもの。そーやって言葉って変わってぐあんだべな。

訳:そうだな。時代が変わってみんなで他の言葉を使うようになるとな、自分だけ古い言葉を使っていたところでしかたがないからな。そうやって言葉というのは変わっていくのだろうな。

 

-単語-

①つぎはき゚:カレンダー。月毎に剥ぐから「月剥き゚」。例:この月剥き゚先月のなンだねぁは。はえぁぐ剥んで今月のなに変えれー。[このカレンダー、先月のやつじゃないか。早く剥いで今月のものに変えろ。]今年もあど終わりンだもの。来年の月剥き゚はえぁぐ買っておがねぁば駄目ンだー。[今年ももう終わりだもの。来年のカレンダーをはやく買っておかないといけないよ。]

②ひはき゚:日めくりカレンダー。日毎に剥ぐから「日剥き゚」。例:月剥き゚ンだばどごさいっても見るにいンども、日剥き゚ンだばじでっきり見るごどねぁなー。[カレンダーはどこへいっても見られるけれど、日めくりカレンダーはさっぱり見ることがないねぇ。]今の時分、日剥き゚買うってばどさいげばあるもんだべ?[今の時代、日めくりカレンダーを買おうとなるとどこへいったらあるものだろう?]

③はなか゚み:ティッシュ。「鼻紙」。厳密には方言ではない。例:さっさっ、はなか゚みたえねぁな忘ってあったは。[失敗失敗、ティッシュが少ないのを忘れていたや。]あいしがだねぁ。風邪[かざ]引ぎンだあじ鼻紙持ってがねぁでごどあるもんだってげぁ?だめンだー、ちゃんと持ってがねぁば。[まったくもう。風邪ひきなのにティッシュを持っていかないということがあるものかしら?だめよ、ちゃんと持っていかないと。]

④まほーびん:ポット。「魔法瓶」。厳密には方言ではない。例:湯っここの魔法瓶さへれば何時間ぐれぁあったけぁままもづべが。[お湯をこのポットに入れたら何時間くらいあたたかいままもつかなぁ。]この魔法瓶さはってだ湯っこ、まンだあっちが?[このポットに入っているお湯、まだ熱い?]

 

おわりに

 今回はこれにて。

 

 へばな。

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