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3.「まま」「あさま」「としょり」「ひしゃしぶりンだ」「かだっぱりンだ」「ほぢょ」「したごしぇぁ」「としとり」

秋田弁会話名詞篇3

 みなさんこんにちは。

 

 引き続き、会話文を読んで行きましょう。

3.「まま」「あさま」「としょり」「ひしゃしぶりンだ」「かだっぱりンだ」「ほぢょ」「したごしぇぁ」「としとり」

-会話-

A:かー、なにしてだ?せっかぐとしとりンだあじ、そんた忙しそーして。

訳:母さん、なにをしているんだ?せっかく大晦日なのに、そんな忙しそうにして。

B:あい、ん前ぁもまだおがしけンだごどいうごど。としとりンだがらこー忙しあんだべ。

訳:もう、あなたったらおかしなことを言うわね。大晦日だからこうも忙しいんでしょう。

A:なに、としとりってそんてぁに忙しが?俺がらせば会社休みなるばりンでなんもやるごどねぁ気するンども。

訳:え、大晦日ってそんなに忙しいか?おれにとっては会社が休みになるだけでなにもやることがない気がするけど。

B:あい、それンだば勤めでだ人がだがらへばんだべたって、家事やねぁばねぁ人がらせばとしとりってたいした忙しあんだや?正月の餅なのこしぇぁるどって下ごしぇぁさねぁばなねぁし、年中行事あれば忙しあんだ、おれみでぁんた専業主婦ンだば。

訳:もう、それは会社勤めをしている人たちにとってはそうでしょうけど、家事をしなければならない人にとっては大晦日ってとても忙しいのよ?正月の餅とか作ろうと下ごしらえしなければならないし、年中行事があると忙しいのよ、私のような専業主婦は。

A:あー、んだなが。最近だば餅にすれおせぢにすれ、なんでも店屋ンででぎでだな売ってだがらんなそえんたな買って来て済ませればいあじ。

訳:ああ、そうなのか。最近は餅にしろおせにしろ、なんでも店で出来上がっているのが売っているからみんなそんなのを買って来て済ませればいいのに。

B:んー、まずな。だンどもやっぱり昔っからやってきたごど急にやめる気にンだばならえねぁあんだ。…おえもとしょりなったあんだな、こんたかだっぱりなって。

訳:うーん、まぁね。でもやっぱり昔からやってきたことを急にやめる気にはなれないのよ。…私も年寄りになったのね、こんな意地っ張りになって。

A:ははは、たしかにとしょればながなが新しやりがだンでなにがするって気ならねぁなやな。そえンだばおえも同じンだがらそー気にすな。…しかし固でぁそーンだもちっこンだごど。ほぢょンで切るにたいした難儀してだねぁは?

訳:ははは、たしかに年をとるとなかなか新しいやりかたでなにかをしようという気にならないんだよな。それはおれも同じだからそう気にするなよ。…それにしても固そうな餅だなぁ。包丁で切るのにずいぶん苦労しているじゃないか?

B:えー、まずな。もぢって湯っこさへだり焼いだりさねぁばおが固でぁものなー。

訳:ええ、まぁね。餅ってお湯に入れたり焼いたりしないと物凄く固いものねぇ。

A:こんだ固でぁなあんてぁにやっけぐなるって不思議ンだもんだやな。あー、しかしもぢげぁ…ひしゃしぶりンだごど。明日の朝間楽しみンだなー。

訳:こんな固いのがあんなにやわらかくなるっていうのは不思議なもんだよな。ああ、それにしてももちか…ひさしぶりだなぁ。明日の朝が楽しみだなぁ。

B:はは、なに、そんてぁにもちっこ食ってぁってげぁ?まず、安心すれ。こーいっぺぁこしぇぁでだもの。もぢンだばしばーらぐ毎朝間食うにいや?んでねぁば昼ままももぢにすが?

訳:ふふ、なに、そんなに餅を食べたいっていうの?まぁ安心なさい。こうたくさんこしらえているもの。餅ならしばらくは毎朝食べることができるわよ?なんなら昼ご飯も餅にしようか?

A:ははは、前ぁもまだ、なぼーおえもぢ好ぎンだたって、朝間も昼間ももぢばり食う気ンだばさねぁでぁ。

訳:ははは、お前ってやつは、いくらおれが餅好きだとはいえ、朝も昼も餅ばかり食べる気にはならないよ。

B:あい、んだってげぁ?隣家の阿部さんなの、正月なれば毎朝間あんこもぢ食って、昼間も毎ん日やぎもぢ食ってだっていうンどもな。

訳:あら、そうなの?隣の家の阿部さんなんて、正月になると毎朝あんこ餅を食べて、昼も毎日焼き餅を食べているっていうけどねぇ。

A:あー、もぢ好ぎンだ人ンだばほんとに正月中もぢばり食うものな。…だンどもおれンだばんたでぁ、毎日ンだば。ちゃんとした普通のままも食ゎねぁばすんま飽ぎするでぁ。

訳:ああ、餅好きな人はほんとうに正月中餅ばかり食べるもんな。…けどおれはやだよ、毎日なんて。ちゃんとした普通のご飯も食べないとあっという間に飽きるよ。

B:ははは、んだべな。…まず安心すれ。さすか゚にそー朝間も昼間も晩け゚ももぢばり食ゎせだりさねぁがら。おれもそえんた生活ンだばんたもの。それさおれがだも今ンだばあどたいした年寄りなってしまったもの。若げぁづぎみでぁにもぢばり食ってらえねぁべせぁ。

訳:ふふふ、でしょうね。…まぁ安心なさい。さすがにそう朝も昼も夜も餅ばかり食べさせたりしないから。私もそういうような生活はいやだもの。それに私たちも今はもうずいぶんのお年寄りになってしまったもの。若い時のように餅ばかり食べていられないでしょう。

A:あー、んだやな。年寄ってもの飲み込む力もねぁぐなってきてだものな。のンどさつっかがって息さえねぁして死んだりせばなんもなねぁもの。気つけねぁばなねぁ。

訳:ああ、そうだよな。年をとって飲み込む力もなくなってきているもんな。のどにつっかかって息ができなくて死んだりしたらなんにもならないからな。気をつけないといけない。

 

-単語-

①としとり:大晦日。例:あー、今年もあど三日ンでとしとりげぁ。はえぁもんだごど、時間たづに。[ああ、今年ももう三日で大晦日かぁ。はやいもんだなぁ、時間が経つのが。]今日としとりンだあじ、大掃除もさねぁながは。ほんとにめぁンだばせやみこぎンだごど。[今日は大晦日なのに、大掃除もしないのか。本当にお前は怠け者だねぇ。]

②したごしぇぁ:したごしらえ。訳:さっさっ、今日の晩け゚ままのしたごしぇぁさねぁンでしまったは。[失敗失敗、今日の晩御飯の下ごしらえをしないでしまったや。]さっ、はえぁぐしたごしぇぁしておがねぁばだめンだやー?明日なって一がらこしぇぁるってばよいンでねぁもの。[さぁ、はやくしたごしらえをしておかないとだめだよ?明日になってから一から作となると大変だからね。]

③としょり:年寄り。例:秋田ンだばほんとにとしょりばりなったな。昔ンだば子供がだもいげぁいであったあじに。[秋田は本当にお年寄りばかりになったなぁ。昔は子供たちも多くいたのに。]はー、こんたとしょりなってもそんたらはんかくせぁしゃべすにいあんだもの。ん前ぁンだばほんとにばがっけンだあんだな。[はぁ、こんな年寄りになってもそんな馬鹿らしい話をすることができるんだもの。あなたは本当にばかなのね。]

④かだっぱり:頑固者。意地っ張り。例:わい、この雨降るに自転車ンで会社まンであぐってげぁ?素直に車さ乗せでってもらゑばいあじに。めぁンだばほんとにかだっぱりンだごど。[うわ、この雨が降る中で自転車で会社までいくっていうの?素直に車に乗せて行ってもらえばいいのに。君は本当に意地っ張りだねぇ。]おえのかがも困ったもんだごど、かだっぱりンで。おらなんぼやじゃねぁったたってなんも聞がねぁもの。[私の妻も困ったもんだなぁ、意地っ張りで。私がいくらだめだといってもさっぱり聞かないからねぇ。]

⑤ほぢょ:包丁。例:あいおっかねぁ!人さほぢょ向げるでごどあるってがは。ちゃんと気つけでけれでぁ。[まぁ怖い!人に包丁を向けるということがあるかしら。ちゃんと気をつけてちょうだいよ。]んー、このほぢょ切れねぁなー。ちゃんと研んでおがねぁば駄目ンだーこえンだばー。[うーん、この包丁切れないなぁ。ちゃんと研いでおかないとだめだよこれは。]

⑥ひしゃしぶり:久しぶり。例:おや、保坂さんげぁ?ひしゃしぶりンだごど。[おや、保坂さんかい?久しぶりだねぇ。]ひしゃしぶりに東京さあすぶにいってみだっけ、新宿駅なの迷路なってだは。あえんたどンでいで人がだ迷わねぁものンだあんだべが。[久しぶりに東京に遊びにいってみたら、新宿駅なんか迷路になっていたよ。ああいったところでいて人々は迷わないものなんだろうか。]

⑦あさま:朝。【参考】昼のことは「昼間[ひるま]」、晩のことは「晩[ばん]け゚」と言う。例:めぁもまだあさまっから忙しそーしてだねぁが。[お前ってやつは朝っぱらから忙しそうにしているじゃないか。]朝間寝で昼間なって起ぎで晩け゚勉強するってげぁは?そえンだばなんぼなんだたってだめンだー。[朝寝て昼になって起きて夜勉強するっていうのかい?それはいくらなんでもだめだよ。]

⑧まま:ご飯。【参考】「あさまま」は朝ごはん、「ひるまま」は昼ごはん、「ばんけ゚まま」は晩ご飯。例:かー、まままンだでぎねぁがー?おら腹すぎでなもかもなねぁー。[母さん、ご飯まだできないの?おれお腹が空いてしょうがないよ。]あの人ンだば毎日朝ままンだばパン、昼ままンだばラーメン、晩け゚ままってばもちこめ炊で食うらしンども、毎ん日同じもの食って飽ぎさねぁもんだあんだべが。[あの人は毎日朝ご飯はパン、昼ご飯はラーメン、晩ご飯となるともち米を炊いて食べるらしいけど、毎日毎日同じものを食べて商いものなんだろうか。]

 

おわりに

 以上で今回は終わり。

 

 へばまず。

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