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2.「んな」「ぼーふ」「しどけ」「ばっけ」「づぎ」「みせや」

秋田弁会話集:名詞篇2

 みなさんこんばんは。齶田浦蝦夷です。

 

 前回に引き続き、秋田弁の名詞を会話文を通じて勉強していきましょう。

2.「んな」「ぼーふ」「しどけ」「ばっけ」「づぎ」「みせや」

-会話-

A:はー、…とー、ん前ぁ、明日も山さ行ぐ気ンだあんだが?

訳:はぁ、…お父さん、あなた、明日も山に行く気なの?

B:ん?えー、そのつもりンだンども。

訳:うん?ああ、そのつもりだけど。

A:あい、本当にげぁ?…とー、山菜ンだばあど十分いっぺぁあるがらあどこれ以上いらねぁやー?あど冷蔵庫もぱんぱんなってだでぁは。

訳:まぁ、本当に?…お父さん、山菜はもう十分たくさんあるからもうこれ以上はいらないわよ?もう冷蔵庫もぱんぱんになっているわよ。

B:ははは、んだが。んだンども別にいべ、そえンだば。いらねぁごったばよその家さけでやればいー。

訳:ははは、そうか。でも別にいいだろう、そんなことは。必要ないならよその家にくれてやればいいよ。

A:あい、ん前ぁもまだ、なしてよその家さけでやるためにわんざに山さ行ぐでごどあるってはー。自分家ンで食うだげ採ればそえンでいねぁは。なしてそー山さ行ぐな?

訳:もう、あなたったら、どうしてよその家にくれてやるためにわざわざ山に行くということがあるっていうの。自分の家で食べる分だけ採ればそれでいいじゃない。どうしてそう山に行くの?

B:ははは、なも、俺ンだば別に山菜食ってぁしてぼーふなの、しンどげなの、ばっけンだのなんだの採るにあってだなんでンだばねぁー。

訳:ははは、いや、おれは別に山菜を食べたくて浜防風だの、もみじがさだの、ふきのとうだのなんだのを採りにいっているのではないよ。

A:あいんだってげぁ?へばなしてわんざに山さ行ぐ?山なの、熊なのいであぶねぁべしゃ?

訳:あらそうなの?じゃあどうしてわざわざ山に行くの?山なんて、熊なんかがいてあぶないでしょう?

B:んー、なしてって…んだなー、そえンだば多分、趣味ンだがらンだべな。

訳:うーん、どうしてって…そうだなぁ、それは多分、趣味だからだろうな。

A:あい、山菜採り趣味ンだってげぁは?

訳:まぁ、山菜採りが趣味だっていうの?

B:んだ。おえも別にぼーふもしンどげもばっけも食うなンだばそんてぁに好ぎンでねぁあんだ。んでもなしてンだべなー、採るにあぐなンだばおもしぇくてやめらえねぁなやなー。

訳:そうだ。おれも別に浜防風ももみじがさもふきのとうも食べるのはそんなに好きじゃないんだ。でもどうしてだろうねぇ、採りにいくのはおもしろくてやめられないんだよなぁ。

A:あいしか。食うな好ぎンでねぁなが…。おれまだいっつもひとへもふたへも採って来るがら山菜好ぎンで好ぎンでなもかもなねぁあんだど思ってあったっけ。…だンどもそえンだば感心さえねぁなー。

訳:まったくもう。食べるのは好きじゃないの…。私ったらいつも一背負いも二背負いも[=「=いっぱい]採ってくるから山菜が好きで好きでしょうがないんだと思っていたのに。…けどそれは感心できないわね。

B:ん?なして?

訳:え?なんで?

A:なしてって、なも、昔がらゆーべ?魚ンでも山菜ンでも、自然のものは自分食うンだげとるものンであって、あまり欲高げでおがとるもんでねぁって。

訳:なんでって、いえ、昔から言うでしょう?魚でも山菜でも、自然のものは自分が食べる分だけ採るものであって、あまり欲張って過度にとるものじゃないって。

B:ははは、まず、たしかにそーゆー時代もあったがもしえねぁたって、今ンだばそんたごどゆーあじもいねぁべせぁ?魚ンだば漁師がだ網つかっておっきなもちっちぇぁなもままんでとって売ってあってだし、山菜も最近だば店屋さ売るどってトラックさつむにいンだげとってあってだあじもいるでもの。自分で食ゎえねぁンだげとったごったらよそさ売るンでもけるンでもすればいあんだ。せばなも食うもの無駄になねぁべ?

訳:ははは、まぁ、たしかにそういう時代もあったかもしれないけど、今はそんなことを言うやつもいないだろう?魚なんて漁師たちが網をつかって大きいのも小さいのもぜんぶとって売っているし、山菜も最近は店に売ろうとトラックにつめるほどとっているやつもいるというからね。自分で食べられないほどとったならよそに売りでもあげでもしたらいいんだ。そしたらなにも食べるものは無駄にならないだろう?

A:あい、そえンだばんだべたって…はー、まずわがった。だンどもしンどげとって人さけづぎンだば気ーつけれな?

訳:もう、それはそうでしょうけど…はぁ、まぁわかったわ。でももみじがさをとって人にあげる時は気をつけなさいね?

B:ん?なして?しンどげンだば山菜の中ンでも高級品だでもの。人さ渡すにすれ店屋さ売るにすれ、どっちにすれじんじょ喜ばえるべせぁ?

訳:うん?なんで?もみじがさなら山菜の中でも高級品だというから。人に渡すにしろ店に売るにしろ、どっちにしろきっと喜ばれるだろう?

A:なも、喜ばえるなンだば別にいったたって、ほら、しンどげってとりがぶどさおが似でるってゆーべ?間違って渡へばん前ぁ殺したどって大変だごどなるねぁは?

訳:いえ、喜ばれるのは別にいいけれど、ほら、もみじがさってとりかぶとに酷く似ているというでしょう?間違って渡したらあなたが殺したと言われて大変なことになるじゃない?

B:ははは、しンどげどとりがぶど間違えるってげぁ?ん前ぁもまだ、おれ山菜とるにあって何年なっともってそんた心配ぁするなンだ?そんた間違いするごったばおらがだえっちにあっちのゆさんなして逝ってだべせぁ。大丈夫ンだって、そんた心配ぁさねぁっても。

訳:ははは、もみじがさととりかぶとを間違えるってかい?お前ってやつは、おれが山菜をとりに歩いて何年になると思ってそんな心配をするんだ?そんな間違いをするならおれたちはとっくにあの世にみんなで逝っているだろうに。大丈夫だって、そんな心配しなくても。

A:んー、んだがー?せばいったたって…まずあまり無理さねぁンでけれな?最近だば熊いげぁいだでもの。昔ど同じ気持ぢンでいれば熊かって食ゎえるがもしえねぁ。

訳:うーん、そう?ならいいけど…とにかくあまり無理しないでちょうだいね?最近は熊も多くいるというもの。昔と同じ気持ちでいると熊に食べられるかもしれないわ。

B:あー、そーいえばそンだえンだ事故何年が前ぁにあったっけな。なも、大丈夫ンだ。あっちのほさンだば行がねぁがら。人食い熊いるどさンだばなぼーおえ山菜とるな好ぎンだたって、おっかねぁして行ぐ気さねぁ。

訳:ああ、そういえばそういうような事故が何年か前にあったっけなぁ。いや、大丈夫だ。あっちの方には行かないから。人食い熊がいるところにはいくらおれが山菜を採るのが好きだとはいえ、怖くて行く気にならないよ。

 

-単語-

①ぼーふ:山菜の一種。「浜防風」のこと。例:とーンだばほんとに浜辺さ行ってぼーふとにぐな好ぎンだやな。[お父さんは本当に浜辺に行って浜防風を採りにいくのが好きだよね。]あー憎ぎごど。最近浜の方さ風車おが建でらえでぼーふとにがえねぁぐなってしまったは。[ああ憎いなかぁ。最近は浜の方に風車があまりに建てられて浜防風をとりにいけなくなってしまった。]

②しンどげ:山菜の一種。「モミジガサ」のこと。とりかぶとと似ていることでも有名。例:かー、見れ。しンどげこえンだげとにいがったやは?―あい、こんてぁにおいでだってげぁ?隣ねの人がだ、とにいったっけなんもおいでねぁどってだあじ。―ははは、他の人知らねぁ穴場さ行ってとってくるなんだもの。なぼンでも見つけにいがったや?[母さん、見ろ。モミジガサをこれだけとることができたよ?―まぁ、こんなに生えていたっていうの?隣の家の人たちは、とりにいったらなにも生えていないと言っていたのに。―ははは、他の人が知らない穴場に行ってとってくるのだからね。いくらでも見つけることができたよ?]しンどげどとりがぶンどンだばおが似でるでもの。しンどげとにぐごったばちゃんと気つけれな?―ははは、めぁもまだ、おれ何年しンどげとってだどもってそーいうごど言うな?見る人見ればなんも似でねぁってわがるもんだあんだンどもな。[モミジガサとトリカブトは酷く似ているというもの。モミジガサをとりにいくならちゃんと気をつけてね?―ははは、お前ってやつは、おれが何年しどけをとっていると思ってそういうことを言うんだ?見る人が見れば全然似ていないってわかるものなんだけどな。]

③ばっけ:山菜の一種。「フキノトウ」のこと。例:そろそろばっけもおいてだべがらちょっと山さ行ってくるは。[そろそろフキノトウも生えているだろうからちょっと山に行ってい来るよ。]フキノトウってなんだどって調べてみだっけ、ばっけどごそー呼ばってだあんだな。おれまだばっけか゚方言だって知らねぁがったは。[フキノトウってなんだと思って調べてみたら、ばっけをそう呼んでいるんだね。私ったらばっけが方言だって知らなかったよ。]

④みせや:店。「みせ」という言葉も使うが、「みせや」とも言う。例:最近おっきンだ店屋いげぁなってちっちぇぁ店屋みねぁぐなったごど。[最近は大きな店が多くなって小さい店を見なくなったなぁ。]山菜ひとへもふたへもとってんな店屋さ売るあじもいるなンだど。よぐたがれンだあじもいだもんだごど。[山菜を一背負いも二背負いもとってみんな店に売るやつもいるんだって。欲張りなやつもいるもんだねぇ。]

⑤づぎ:時。「じぎ」とも言う。というか「じ」と「づ」の区別がない。例:とー、ん前ぁかーどごどごンでいでおぼえだなんだ?―あー、かーどごンだば、おれ昔県庁ンで課長ンでいであったづぎ覚えだあんだ。[お父さん、父さんは母さんとどこで知り合ったの?―ああ、母さんのことは、おれが昔県庁で課長だったとき知り合ったんだよ。]せばあどで迎げぁに行ぐがら、帰づぎこっちゃ電話けでけれは。[じゃああとで迎えにいくから、帰るときこっちに電話をくれ。]あのづぎおれも外さ出はってれば死んであったべな。[あのとき私も外に出ていたら死んでいただろうね。]めぁなんだづぎ一番楽し?―んー、んだなー、山菜とにってだづぎ一番楽しな。[あなたどんなとき一番楽しい?―うーん、そうだなぁ、山菜をとりにいっている時が一番楽しいな。]

⑥んな:「みな」。例:最近んなしておれどごこンづぐあんだンども、なしてンだあんだべ?[最近みんなで私をいじめるんだけど、どうしてなんだろう?]この野菜ジュースンだばほんとにおいしごど。最近人がだんなおいしどってこの野菜ジュース飲んでだあんだや?―あいんだってげぁ?そんてぁにんめぁそーにンだば見えねぁたってな。[この野菜ジュースは本当においしいなぁ。最近人々がみんなおいしいと言ってこの野菜ジュースを飲んでいるんだよ?―あらそうなの?そんなにうまそうには見えないけどねぇ。]

 

終わりに

 以上で名詞篇第2課はこれまで。

 

 ではまた。へばな。

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