秋田の方言(秋田弁)勉強・学習サイト

1.「あんさん」「おなこ゚」「ひとりもの」「ひとりおんな」「かが」「じぇん」「ばがっけ」「ごさらしンだ」「にー」「はがしょ」「おーさん」「ひとりめぁなる」「いあんべぁンだ」「あっちのゆ」「かねとり」「ものもらい」「おどごひと」

名詞篇1.「あんさん」「おなこ゚」「ひとりもの」「ひとりおんな」「かが」「じぇん」「ばがっけ」「ごさらしンだ」「にー」「はがしょ」「おーさん」「ひとりめぁなる」「いあんべぁンだ」「あっちのゆ」「かねとり」「ものもらい」「おどごひと」

 皆さん、お久しぶりです。齶田浦蝦夷です。

 

 今回から、しばらく会話文を通して秋田弁単語を学習する「単語篇」に入りたいと思います。

 

 会話文は容赦なく秋田弁のオンパレードですので、今まで学習してきたことをフル活用しながら秋田弁を堪能してもらえたらと思います。

秋田弁会話

A:にー、ん前ぁいづんまンでひとりものンでいる気ンだあんだ?

訳:兄さん、あんたいつまで独身でいる気なの?

B:…かー、やぶがらぼーになにゆうな?

訳:…母さん、やぶから棒に何を言うんだ?

A:んー?なも、向げぁねのあんさん嫁っこもらって、その嫁っこたいしたいあんべぁンだどって聞だがらせぁ、ん前ぁもあど一人前ぁなったし、いーおなこ゚みつけねぁべがーど思って。

訳:うん?いえ、向かいの家の兄さんは嫁をもらって、その嫁がとてもいい感じだと聞いたからねぇ、あんたももう一人前になったし、いい女性を見つけないかなぁと思って。

B:かー、おらえはおらえ、よそはよそンだ。大体よ、おれみでぁんた金取りもいぐねぁ男さだえ嫁に来てけるって?おれみでぁんたあじンだば一生嫁っこなのもらわえねぁあんだー。

訳:母さん、うちはうち、よそはよそだよ。大体さ、おれみたいな給料もよくない男に誰が嫁に来てくれるってんだ?おれみたいなやつは、一生嫁なんてもらえないんだよ。

A:あい、ん前ぁもまだ、なしてそー後ろ向ぎンだごどゆうな?おれ若げぁ時分だばなぼ貧乏ンだたって結婚だばすにいもんであったや?金取りいぐねぁちゅったたって、なもものもらいなったわげンでもあるめぁし。

訳:まぁ、あんたったら、どうしてそう後ろ向きなことを言うの?私が若い時はいくら貧乏だとしても結婚はできるものだったわよ?給料がようないといったって、別に乞食になったわけでもあるまいし。

B:はー。かー、そえンだば昔の話ンだべ?今の時分だばせぁ、生活も安定して、そえなりに金取りいー男ンでねぁば結婚も難しあんだや?おなこ゚がだも、わんざに貧乏ンだ男のかがなるぐれぁンだば、自分で務めさ行ってじぇんこかせで生ぎでだ方よっぽンど楽ンだど思ってるべせぁ。今ンだばおなこ゚がだもおどごひとがだど同じンだげ働ぐにい時代ンだあんだや?

訳:はぁ。母さん、それは昔の話だろう?今の時代はさぁ、生活も安定して、それなりに給料がいい漢じゃないと結婚も難しいんだよ?女性たちも、わざわざ貧乏な男の妻になるくらいなら、自分で仕事に行ってお金を稼いで生きている方がずっと楽だと思っているだろうさ。今は女性たちも男性たちと同じくらい働ける時代なんだよ?

A:あい、せばなんと、今のおなごがだンだばんなひとりおんななる気ンだあんだ?

訳:まぁ、じゃあなにかしら、今の女性たちはみんな独身女性になる気なの?

B:なも、んなひとりおんななる気ンでいだわげンでンだばねぁべたって、ちゃんと自分でつとめさ行って、自分で自分どご養えだおなごンだば、昔みでぁに無理してまンで結婚するどさねぁもんだあんだって。

訳:いや、みんな独身女性になる気でいるわけじゃあないだろうけど、ちゃんと自分で仕事に行って、自分で自分を養うことができる女性なら、昔のように無理してまで結婚しようとはしないものなんだってば。

A:あいんだってげぁは?…んだンどもそえンだば困ったもんだごど。へばその親がだの墓所どが、だえ守ってぐ気ンだあんだべが?なぼ若げぁうぢ勤めさ出にいったたって、年行って息子もいねぁ娘もいねぁってば、だえも墓所守ってける人いねぁぐなるねぁは?

訳:あらそうなの?…でもそれは困ったものねぇ。じゃあその親たちのお墓とかは、だれが守っていく気なのかしら?いくら若いうち仕事に出ることができるとしても、年を取って息子もいない、娘もいないとなると、だれもお墓を守ってくれる人がいなくなるじゃない?

B:あー、墓所げぁ…墓所ンだばせぁ、じんじょそのうぢんな墓仕舞いしてんな無縁仏なるあんでねぁが?

訳:ああ、お墓か…お墓はなぁ、きっとそのうちみんな墓仕舞いをしてみんな無縁仏になるんじゃないか?

A:あい、ん前ぁもまだ、なしてそー罰当だりンだごどゆーな?

訳:まぁ、あんたったら、どうしてそう罰当たりなことを言うの?

B:罰当だりって、…かー、ん前ぁンだばほんとに古し考えがだする人ンだごど。

訳:罰当たりって、…母さん、母さんはほんとうに古い考え方をする人だなぁ。

A:…なっと?

訳:…なんですって?

B:考えがだ古しって。墓所なの守ったたってなに御利益あるってはー?毎年墓所掃除しておーさんがださじぇんこけでやって、そえンでおらがだの暮らしいぐなるってげぁ?

訳:考え方が古いって言ったんだよ。お墓なんて守ったところでなんの利益があるってんだよ?毎年お墓掃除をして、坊さんたちにお金をくれてやって、それでおれたちの生活がよくなるってかい?

A:あいー、前ぁまだ、あまりばがっけンだごどゆーなしゃ!そんたごどゆえば神さんも仏さんも助けでけねぁや?

訳:もう、あんたってやつは、あまり馬鹿なことを言わないでよ!そんなことを言ったら、神様も仏様も助けてくれないわよ?

B:神も仏もほんとにいるもんだがや。そえんたなほんとにいだごったば、なぼ貧乏しても寺さじぇんこけでけでだおらがだの暮らしももー少しいぐなってるど思うたってな。ぼんじがだも米なのじぇんなのもらうンだげもらって、お経ばり読んでそれっきりンだべ?なにありがでぁって?はんかくせぁ。

訳:神も仏もほんとうにいるものかねぇ。そういったのがほんとうにいるなら、いくら貧乏でも寺にお金をくれてやっていたおれたちの生活ももう少しよくなっていると思うけどね。坊主たちも米だのお金だのもらうだけもらって、お経だけ読んでそれっきりだろう?なにがありがたいってんだよ?馬鹿らしい。

A:あいー、ん前ぁまだ、いづのこまにそんてあに根性悪り子なった?だえそんた、おーさんがだどご悪りぐゆうもんだって?ごさらしンだー。

訳:ああもう、あんたってやつは、いつの間にそんなに意地の悪い子になったの?誰がそんな、坊さんたちを悪く言うものだっていうのよ?恥さらしだわ。

B:はー、なに業さらしンだでごどあるって。今の時分、ほんとに神さん仏さん信じでだ人なのいねぁべぉん。最近テレビンでもよぐやってるべ?墓所守っていぐなンだばじぇんこおがかがってなもかもなねぁどって墓仕舞いする人もいっぺぁいだどって。あどそーゆー時代なったあんだって。

訳:はぁ、なにが恥さらしだということがあるってんだよ。今の時代、本当に神様仏様を信じている人なんていないだろうさ。最近テレビでもよくやっているだろう?お墓を守っていくのはお金がかかってしかたがないと言って墓仕舞いする人がいっぱいいるって。もうそういう時代になったんだってば。

A:あいー、情げねぁごど。今の人がだあっちのゆさ行った後のごど考えねぁあんだべが。…あっちのゆさ行ったづぎじんじょ後悔するや、そんたごどしてれば。

訳:あらもう、情けないわねぇ。今の人たちはあの世に行った後のことを考えないのかしら。…あの世に行った時にきっと後悔するわよ、そんなことをしていると。

B:はは、あっちのゆげぁ?今の人がだだえ本気ンであっちのゆなの信じでだって。死ねばそえンで終わりンだど思ってだがらんだあんだべせぁ。

訳:はは、あの世かい?今の人たち、誰が本気であの世なんて信じているってんだよ。死ねばそれで終わりだと思っているからそう[=墓仕舞いしたりする]なんだろうさ。

A:…なに、せばん前ぁも信じでねぁな?

訳:…え、じゃああんたも信じていないわけ?

B:あいさ。そえンだば当だり前ぁンだべ?今の時分そえんたな本気ンで信じでだなンだばとしょりぐれぁンでねぁが?

訳:おうとも。そりゃあ当たり前だろう?今の時代にそういうようなのを本気で信じているのは年寄りくらいじゃないか?

A:あいー、なんと、ほんとにげぁ?…おらがだ若げぁ時分だば、悪りごどへば地獄に落ぢるどってんな信じであったもんであったたってな。なしてこー時代変わったもんだべ。

訳:あらまぁ、なんてこと、ほんとうに?…私たちが若い時代なら、悪いことをしたら地獄に落ちるとみんな信じていたものだったけれどね。どうしてこうも時代が変わったのかしら。

B:なしてンだべな。墓所なの寺なのさじぇんこいっぺぁ使って暮らしなんも楽なねぁ親がだどご見で育ったがらンでねぁが?

訳:どうしてだろうねぇ。お墓だの寺だのにお金をいっぱい使って生活がなにも楽にならない親たちを見て育ったからじゃない?

A:あいー、ん前ぁンだばほんとにあらしぎねぁごど!おらがだのせーンだってげぁ?

訳:もうー、あんたはほんとうにかわいらしくないわね!私たちのせいだっていうの?

B:さっ、なんとンだべなー。…んだンども暮らし苦しづぎまンで宗教さじぇんこ使うほンど今の人がだンだば信心深げぁぐねぁなンだば確かンだど思うや?あっちのゆさ行ぐ前ぁにこっちのゆで生ぎでがねぁばなもなねぁべせぁ。そえぐれぁ余裕のねぁ世の中なったでごどンだあんだって。

訳:さぁ、どうだろうねぇ。…でも生活が苦しいときまで宗教にお金を使うほど今の人たちは信心深くないのは確かだと思うよ?あの世に行く前にこの世で生きていかなければなんにもならないだろうに。それくらい余裕のない世の中になったってことなんだってば。

A:んー、暮らしンだばおらがだの時分の方よっぽンど難儀してあった気するンどもな。はー、俺も年行ったあんだな。今の人の考えがだンだば分がらねぁ。

訳:うーん、暮らしなら私たちの時代の方がずっと苦労していた気がするけどねぇ。はぁ、私も年を取ったのね。今の人たちの考え方は分からないわ。

 

-      -単語-

①にー:兄さん。兄弟姉妹が兄を呼ぶ時の他、親が自分の子である長男などを呼びかける時にも使う。例:にー、にー!いだあんだが?いだら返事せー。[兄さん、兄さん!いるの?いたら返事して。]にー、めぁ長男だあんだがらちゃんとおどんとがだの面倒みれー。[兄さん、お前は長男なんだからちゃんと弟たちの面倒をみなさい。]

②ひとりもの:独身の人。特に独身の男。女性の場合は「ひとりおんな」。例:最近ひとりものいげぁなったなー。[最近は独身者が多くなったなぁ。]おらえの息子なの、今年で三十なるにまんだ嫁っこもらわねぁンでだー。[うちの息子なんて、今年で三十歳になるのにまーだ嫁をもらわないでいるよ。]

③かー:母さん。子供が母親を呼びかける時、又は夫が妻を呼びかける時に使う。例:かー、明日学校さ来にい?来にいごったら来てけれは。[母さん、明日学校に来れる。来れるなら来てよ。]かー、かー!おや、なんぼよばっても返事さねぁなは。どごさが行ったもんだべ。晩け゚ままもなもこしぇぁねぁに。[母さん、母さん!おや、いくら呼んでも返事しないや。どこへいったものかな。夕飯もなにも作ってないのに。]

④あんさん:兄さん。あんちゃん。家族のことではなく、広く若い男性のことを指して言う「お兄さん」である。もっとも、家族の若い男のことも「あんさん」と言う。例:あいーしかだねぁ。いい歳なったあんさんだあじに、なしてそーかだっぱりンだー?もう少し素直なれでぁ。[ああまったく。いい歳になった兄さんなのに、どうしてそう頑固なの?もう少し素直になりなさいよ。]とー、聞だがー?あっこねのあんさんようやっと嫁っこもらって本荘の方さ家建ででかまどもったどや。[お父さん、聞いた?あそこの家のお兄さんがついに嫁をもらって本荘の方に家を建てて独立した家計をもったそうよ。]

⑤いあんべぁンだ:いい具合だ。いい感じだ。例:おらえの息子つできた嫁っこ、たいしたいあんべぁンでいがったごど。こー人っこいば喧嘩さねぁンですむは。[うちの息子がつれてきた嫁は、とてもいい感じでよかったなぁ。こうも人がいいと喧嘩しないで済むや。]あだらし車なんとンだ?―えー、たいしたいあんべぁンだ。乗り心地もいし。[新しい車はどう?―ああ、とてもいい感じだよ。乗り心地もいいし。]

⑥ひとりめぁ:一人前。例:あの子ンだばいづんまンでもひとりめぁになねぁなー。なんとがしたもんだやら。[あの子はいつまでもいつまでも一人前にならないなぁ。どうしたものやら。]才能ねぁばなんぼなってもひとりめぁなれねぁなやな。[才能がないといくつになっても一人前になれないんだよなぁ。]

⑦おなこ゚:女性。年は関係ない。お年寄りの女性のこともおなこ゚と言う。例:老人会さ出はったたっておなこ゚おれひとりよりいねぁもの。おもしれぐねぁしてんた。[老人会に行ったところで女性は私ひとりしかいないもの。おもしろくなくていやよ。]美人だおなこ゚ンだばなにしても綺麗に見えでいごど。おれなの同じ動作したたってだれんも褒めでけねぁや?[美人な女性はなにをしても綺麗に見えていいなぁ。私なんかが同じ動作をしたとしてもだーれも褒めてくれないわよ?]

⑧かねとり:給料。例:今ンだば資本主義の時代ンだもの。かねとりいぐねぁば結婚もさえねぁし、子供ももだえねぁ。[今は資本主義の時代だもの。給料がよくないと結婚もできないし、子供も産めないわ。]かねとりおがいば人かって妬まえでそえはそれンでよいンでねぁなやな。[給料があまりにいいと人に妬まれてそろえはそれで大変なんだよなぁ。]

⑨ものもらい:物乞い。乞食。例:このじぇんねぁぐなればいよいよおれもものもらいなねぁばなねぁぐなるでぁ。困ったもんだごど。[このお金がなくなればいよいよ私も乞食にならなければならなくなるよ。困ったものだなぁ。]はー、あーものもらいいっぺぁいだあじに、国どがなんとがさねぁもんだあんだべが。[はぁ、ああも物乞いがたくさんいるのに、国とかなんとかしないものなんだろうか。]

⑩かが:妻。例:あいー、はんかくせぁ!自分のかがの前ぁンでいでひとねのかがどごほめるばがっけいるもんだってげぁ。ほんとにほじねぁん前ぁンだば。[ああもう、バカらしい!自分の妻の前にいて人の家の妻を褒める馬鹿があるものだってかい。本当にばかだお前は。]はー、自分のかがの誕生日も分がらねぁ旦那か゚いるもんだがや。信じらえねぁごど。[はぁ、自分の妻の誕生日も分からない旦那がいるものかねぇ。信じられないなぁ。]

⑪じぇん:お金。銭[ぜに]、の訛り。例:はー、じぇんもいっせんもねぁぐなってしまったは。ほんとになんとがしたもんだやら。困ったもんだごど。[はぁ、お金も一円もなくなってしまったよ。本当にどうしたものやら。困ったものだなぁ。]にー、聞いだが?おらえの父さん、人がらじぇん借れであってだどや。なんとす?[兄さん、聞いた?うちのお父さん、人からお金を借りて回っているってさ。どうする?

⑫おどごひと:男性。男の人。例:祭りってばな、おどごひとがだたいしたおっき声出してあぐがらおが好ぎンでねぁなやな。もう少し静がにやってけねぁもんだべが。[祭りとなるとなぁ、男性たちがとても大きい声を出して回るからあまり好きじゃないんだよなぁ。もう少し静がにやってくれないものだろうか。]なぼー体よこ゚がさねぁおどごひとンだたっておなこ゚より力弱ゑでごどねぁがべ。そえんたないだごったばよっぽどもの食ゎねぁ人ンだあんだべな。[いくら体を動かさない男性だとしても女性より力が弱いということはなかろう。そういうようなのがいるならよほど食べない人なんだろう。]

⑬ひとりおんな:独身女性。例:あっこねの一番姉、今年ンで三十なるあじまンだひとりおんなンだあんだど。[あそこの家の長女、今年で三十歳になるのにまだ独身なんだってさ。]今の時分、四十がら先なるひとりおんなンでも結婚するでごどあるでもの。本当に変わったもんだな、世の中ンだば。[今の時代、四十歳以上になる独身女性でも結婚するということがあるというからね。本当に変わったもんだね、世の中は。]

⑭はがしょ:墓。例:見れ、かー、あすこの墓所、草おがってみだぐねぁンだげなってだは。[見て、母さん、あそこのお墓、草が伸びてみっともないほどになっているよ。]今の時分、わんざに自分の墓所作らねぁってもいなやな。公共の集団墓地どがンで埋葬してもらうにいなんだし。[今の時代、わざわざ自分の墓を作らなくてもいいんだよなぁ。公共の集団墓地とかで埋葬してもらうことができるのだし。]

⑮おーさん:坊さん。例:今日おーさんくるがらお布施っこ用意しておがねぁばだめンだな。[今日は坊さんが来るからお布施を用意しておかないといけないね。]最近のおーさんだばじぇんばりとってなんもありか゚でぁ話っこもさねぁがら好ぎンでねぁー。[最近の坊さんはお金だけとってなにも有り難い話もしないから気に食わない。

⑯ばがっけ:馬鹿。例:ばがっけ!この歳なって誰そンだごども知らねぁでごどあるって?豪さらしンだー。[馬鹿!この歳になって誰がそんなことも知らないということがあるってんだい?恥さらしだ。]はー、ん前ぁこんたごどもわがらねぁばがっけンであったなげぁ。こえンだば少しおがンだやは?[はぁ、君はこんなこともわからない馬鹿だったのかい。これは少しひどすぎだよ?]

⑰ぼんじ:坊主。例:あのぼんじ、ぼんじのくせに酒造り始めだど。―あいんだってげぁ?なんーだって人がだがらお布施もらってだに欲高れンだごど。[あの坊主、坊主のくせに酒造りを始めたってさ。―まぁそうなの?まったくもう人々からお布施をもらっているのに欲張りねぇ。]あいーなんと、お前ぁ般若心経読めだってげぁ?んだらぼんじにンでもなればいあんでねぁが?―ばがっけ。般若心経読めだぐれぁンでぼんじになにいごったばんなぼんじなってだべ。あまりばがしゃべすなしゃ。[あらあらまぁまぁ、、あなた般若心経を読めるの?なら坊主にでもなればいいんじゃないの?―馬鹿。般若心経を読めたくらいで坊主になれるならみんな坊主になっているだろうが。あまり馬鹿な話をするなよ。

⑱ごらさしンだ:恥さらしだ。例:あいーしがだねぁごど。客来るにこえんたな部屋さ置でだってげぁ?だめンだーこえんたな人目につぐどさ置げば。ごさらしンだー。[ああもうまったく。客が来るのにこういうようなものを部屋に置いているの?だめよこういうようなのを人目につくところに置いたら。恥さらしよ。]なんーだで前ぁもまだ、その歳なってまンだ抱ぎ枕なのさねぁばねらえねぁってがは?ごさらしンだやー?あどやめれは、そえんたな。[まったくもうお前ってやつは、その歳になってまだ抱き枕なんかしないと寝られないってか?恥さらしだよ?もうやめろよ、そういうようなのは。]

⑲あっちのゆ:あの世。なお、「あっちのゆ」があの世なら、この世は多分「こっちのゆ」と言うのだろうと本テキストでは解釈している。実際に「こっちのゆ」という言葉を聞いたことがあるわけではない。例:おえンだばひとりものンだもの。死んであっちのゆさ行ったたってだれんもおえどごンだば待ってねぁべな。[私は独身だからね。死んであの世に行ったところでだれも私を待ってないだろうね。]はー、世の中の人ンだばせぁ、あっちのゆさ行ぐなンだばおっかねぁ、こっちのゆンでずっと幸せに暮らしてぁどって言うンどもせぁ、おれがらせばこっちのゆなのたンだの地獄ンだや?なしてんなそんてぁに生ぎでるなか゚一番幸せンだどってあっちのゆさあぐなおっかねぁか゚るなんだべ。[はぁ、世の中の人はさぁ、あの世に行くのは怖い、この世でずっと幸せに暮らしたいと言うけどさぁ、私にとってはこの世なんてただの地獄だよ?どうしてみんなそんなに生きているのが一番幸せだと言ってあの世に行くのを怖がるのだろう。]

 

終わりに

 以上で今回の学習は終わりです。

 

 しばらく土日どちらか一日に会話集をアップしていくつもりでいます。

 

 では今回はこの辺で。へばまず。

関連ページ

2.「んな」「ぼーふ」「しどけ」「ばっけ」「づぎ」「みせや」
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3.「まま」「あさま」「としょり」「ひしゃしぶりンだ」「かだっぱりンだ」「ほぢょ」「したごしぇぁ」「としとり」
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4.「つぎはき゚」「ひはき゚」「はなか゚み」「まほーびん」
秋田弁の名詞を会話文を通して覚えます。
5.「ちゃか゚ま」「めくら」「しょーゆづぎ」「きかず」「ねだす」「まなぐ」
秋田弁の名詞を会話文を通して覚えます。
6.「べぁっこ」「くゎしばご」「ゆえ」「あだり」
秋田弁の名詞を会話文を通して覚えます。
7.「にめぁ」「かみ」「しも」「しぎっこ」「もちこめ」「あじあだりめぁンだ」「へどっこ」「おづげっこ」「がっこ」
秋田弁の名詞を会話文を通して覚えます。
8.「すなじ」「なにがかにが」「せぎ」「つづみ」「まだき゚」「てっぽーうぢ」「もど」「けぁんど」「むがしっこ」「ぶらぐ」「しめぁに」
秋田弁の名詞を会話文を通して覚えます。
9.「かげ」「てめぁ」「ばば」「はんぴ」「ばしゅ」
秋田弁の名詞を会話文を通して覚えます。
10.「こンづげぁっこ」「ぼだっこ」「こまンづげぁ」「つとめ」「おがけ゚さんで」「せやみこぎ」「せやみ」「しょがらっこ」「せぎはん」「だいごンすれ」「じじ」
秋田弁の名詞を会話文を通して覚えます。

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